休耕田でホンモロコの養殖(2009.05.27)
神戸市西区の農業地帯では、水田に水を張り、田植えの準備が行われている。
日本の風景の中で、桜の季節の次に美しい季節がやってくる。水田に稲が植えられ、明るい日差しの下、そよそよと風に揺れている風景は、まさに日本を代表する風景である。
昔は、稲が植えられた田には、様々な生物が生息していたものである。フナ、コイ、ホウネンエビ等、網を持ってすくいに行くのが楽しみであった。
近年、様々な理由で水田から生物の姿が消えている。原因は、色々あると思うが、農薬の害が大きいのではないだろうか。また、近年の国或いは地方公共団体の圃場整備による用水・排水の分離にも原因があるような気がする。特に用水は、パイプライン化され、田んぼに水を引くには、地下に埋められたパイプラインの蛇口をひねることにより行われる。昔のように水路から田んぼに水を引くことは、ほとんどない。コイやフナが水路を泳ぎながら田んぼに入ってくることは無くなった。(川やため池の魚が減ったから水田に入ってこないのかもしれないが)
このように、生き物達との関係が疎遠になりつつある日本の水田風景であるが、さらに減反政策により耕作を行わない休耕田も多くあり、何となく寂しさが増すような気もする。
減反政策により休んでいる休耕地で、お金を稼ぐために、ホンモロコの試験養殖が兵庫県の香美町で行われている。モロコなんて昔は結構普通に見かけたような気もするが、今は水族館でしか目にすることがない。
このホンモロコ、京都の料亭などで食材として使われているようで、収入源になる価格で取引されているようである。
昔懐かしい風景が蘇るとともに、農業従事者の懐を暖めるこの試みに大いに期待したいものである。
以下、神戸新聞より。
「 休耕田の利用促進を目指して、香美町の農事組合法人「田援隊(でんえんたい)」が、同町香住区の田んぼを改造した池で、コイの仲間ホンモロコの養殖試験を始めた。鳥取、滋賀、埼玉県などの先進地では稲作の1.5-2倍程度の収入があり、飼育は比較的簡単という。メンバーは「高齢化が進む山間地で放棄された田んぼなどに飼育を広げたい」と意気込んでいる。(小日向務)
ホンモロコは、もともと琵琶湖にのみ生息。川魚特有の癖がない上、味もよく京都の料亭などに出荷されていた。ところが、最近、外来魚などの影響で、漁獲が激減し、各地で盛んに養殖されるようになったという。
田援隊は一月、鳥取大学などが支援する鳥取県内の取り組みを知り、現地を視察。研究会をつくり、試験養殖を決めた。
養殖池は百四十平方メートル。休耕田を約二十センチ掘り、その泥で作ったあぜを廃品利用のビニールシートで覆っている。水を張り、鶏ふんを入れて餌のミジンコを増やす一方、五月半ばに約一万匹分の卵を購入。一週間後、ふ化した約四ミリの魚を放した。一カ月後から、コイの餌を与え、半年で出荷できる一〇センチ程度の大きさに育つという。
田援隊代表理事の前田精一さん(59)は「生産者を増やし、商業者と連携して新たな特産品にしたい」。育成に当たる小幡昭義さん(67)は「おいしいというし、趣味を兼ねて楽しみながら育てたい」と話している。
休耕農地は、香美町でも全農地の約3%約五十六万平方メートルに広がるなど全国的な課題となっている。休耕田を使ったホンモロコの養殖は、香美町では初めて。豊岡市でも同じような取り組みが始まっているという。」
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